近くにある高級イタリアンを奢られる

「ねえねえ」会社の昼休みに、智子が声をかけてきた。「最近きれいになったよね、どれ使ってるの?」ちょっとわがままな所があり、意地悪して教えないでいようかなと考えた。

「ちょっと教えてくれたら、イビサのランチおごるから」イビサは近くにある高級イタリアン。よし手を打とう。

前菜を食べながら、最近コスメを変えたと話す。「ミューノアージュというアイテムでね、美容医療で行われるヒアルロンサンなどの注入が自宅で出来るの」

彼女は料理より、肌の方が気になって仕方ない様子。マリネを横から頂く。「知らない。注入ってどうやるの?」「パッチみたいなやつを貼るだけ、皮膚科専門医が開発したらしいよ」

メインパスタに添えられたカニを取り上げても、何も言わない。

「どこで買える?」「インターネットが便利ね、スターターキットがあるから、最初はそれで良いんじゃない」

「分かった。あっこのデザートもあげる」満足なランチだったけど、こりゃ太りそう。